小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をコラムとして書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(Copyright (C) 2006-2023 Y.Ishii All Rights Reserved.)

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 (返り咲きしたオオデマリ)庭先の「オオデマリ」の花が咲いている。ゴールデンウイーク前には一度全部花が散っているから二度咲きであり、いわゆる「狂い咲き」、あるいは「返り咲き」(返り花ともいう)といっていい。この花の狂い咲きは秋に見られるので、返り咲きとい
『2318 オオデマリが返り咲き 感じる人生の哀歓』の画像

「日米開戦は12月7日(米国時間。日本時間では8日)、広島に原爆が投下されたのは8月の、何日でしたか?」  米国の著名なノンフィクション作家、ゲイ・タリーズは、日本のノンフィクション作家、柳田邦男との対談(『事実からの発想』講談社)で、こんな問いかけをし
『2317 原爆より真珠湾 米国人の第二次大戦認識』の画像

(ラナンキュラス、ゴールドコイン)2001年に『聖水』で芥川賞を受賞した青来(せいらい)有一の短編小説『鳥』の冒頭と最後は印象に残る似た言葉が繰り返し書かれている。 「私の戸籍の父母の氏名欄は真っ白である。父の欄にも、母の欄にもその名は記載されていない。私の
『2316 首脳たちの建前と本音 G7広島サミットを終えて』の画像

(紫陽花が咲き始めた) 新聞の発行部数が減り続け、本も売れない時代になっています。多くの人はスマホをのぞき込んでいます。しかし、朝、配達された新聞を開くときや新しい本を買って、頁をめくるときの独特のにおいが私は好きです。かつては、私と同じように思う詩人が
『2315 5月は新聞と本のにおい 2人の詩人の感性』の画像

「ノンフィクション作品のおもしろさが、第一に、事実の発掘(facts finding)にあることは、よくいわれる通りである。ここでいう事実の発掘とは、単に物事を詳しく調べるということだけではない。事実の意外性によって、取材者が抱いていた先入観や社会通念が打ち砕かれる、
『2314 冴えた目と柔らかな頭で向き合う 行旅死亡人を見つめた記者たち』の画像

(ウツギの花) 卯の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて 忍び音漏らす夏は来ぬ  歌人で万葉集の研究で知られる国文学者佐々木信綱(1872~1963)が作詞し、小山作之助が作曲した唱歌『夏は来ぬ』の一節だ。この季節になると、よく歌われる曲だ。五節まであ
『2313『夏は来ぬ』をハミングして 時鳥の声を聞きながら』の画像

(ひっそりと咲くアザミ)  童話作家で詩人の宮沢賢治が亡くなったのは1933(昭和8)年9月21日で、37歳の生涯だった。ことしで没後90年になるのを記念して映画『銀河鉄道の父』(成島出監督)が制作された。このクライマックスは、息を引き取る賢治(菅田将暉)を抱きかかえて
『2312 クライマックスは「雨ニモマケズ」映画『銀河鉄道の父』』の画像

(ヤマボウシの花) 夜になると、近所の家の水槽で飼育している蛙の鳴き声がうるさいぐらいに聞こえてくる。蛙が歌っているのだろう。今年の立夏は6日だった。今日8日は強い雨が降り、肌寒い。旧暦七十二候の立夏初侯は「蛙始鳴」(かわずはじめてなく=冬眠から目覚めた
『2311 蛙の歌が聞こえる 立夏初候「蛙始鳴」に』の画像

(千葉県鋸山日本寺の大仏・薬師瑠璃光如来=座像の石仏としては日本一の大きさ) 今、地球には80億人以上の人たちがおり、それぞれに個性ある生き方をしている。『今しかない』第7号の「拝啓 お元気ですか」に描かれた人々もまた、懐かしい思い出の中に蘇った。前回の
『2310「拝啓 お元気ですか」遠くの人たちへ(2)』の画像

「拝啓 お元気ですか」。人それぞれに、こんな言葉で呼びかけてみたい大事な人がいる。これまで何度かこのブログで紹介している小冊子『今しかない』第7号は、この言葉をテーマに、短い言葉で邂逅の思いが綴られている。鮮烈なきらめきを感じる言葉の凝縮に、私は引き寄せ
『2309「拝啓 お元気ですか」 愛おしい人たちへ(1)』の画像

(ツルバラ・アンジェラ)一年で一番さわやかな季節といっていい。周辺を散歩していると、庭からかぐわしいバラの香りが漂ってくる。北原白秋の短い詩『薔薇二曲』を頭に浮かべながら歩く。調整池の周囲にある野ばらの白い花が満開になっている。現在、百花の女王はバラとい
『2308 バラが咲くのは不思議なのか ラクダの餌にもなる?』の画像

(密集して咲くシラン)  かなり昔の小学生時代の話だ。私の通う小学校近くに「鐘馗様」(しょうきさま)というあだ名を付けられた農家の人がいた。その顔は、中国の道教系の魔よけの神で日本の端午の節句の幟(のぼり)や五月人形になった魁偉な容貌である鐘馗のように怖
『2307 たくましき糞尿譚 映画『せかいのおきく』と「鐘馗様」』の画像

(イングリッシュブルーベル=ツリガネズイセン))「わたしは生まれ変わつても新聞を読むだろう。まともな言葉づかひの新聞を読ませてくれ」。作家・文芸評論家の丸谷才一(1925~2012)の『星のあひびき』(集英社文庫)というエッセイ集を読んでいたら、このような言葉が
『2306 生まれ変わっても新聞を読むか 達意と人の心を打つ文章こそが…』の画像

(ラナンキュラスの赤い花) 国際化社会だ。世界の動きは逐一テレビやインタネット・SNSを通じて入ってくる時代。世界には様々な人がいる。その大半は戦いを憎み、人の世が平穏であることを願っている。スーダンの戦闘を伴う軍部内での対立で、外国人は退避した。しかし多く
『2305『現代を歩く』(29)独りになっても  外国人若者との交流を糧に』の画像

(モチツツジ)「昨日は大失敗しましたよ」。朝のラジオ体操仲間の一人があいさつの後、こんなことを言い出した。財布を落とし、冷や汗をかいたというのだ。最終的に落とした財布は無事戻ってきて、知人は「日本はまだ捨てちゃもんじゃないと思います」と話していた。大阪で
『2304 落とした財布が戻った話 大阪では裁判に』の画像

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