小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をコラムとして書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(Copyright (C) 2006-2024 Y.Ishii All Rights Reserved.)

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更新情報

 時々、朝日新聞の歌壇欄に、アメリカから投稿された短歌が入選作として掲載されている。投稿者は「郷 隼人」という名前の歌人で、1月7日には「渡米時の大志破れて短歌あり我には歌の残されしのみ」が入選作として掲載された。郷氏はアメリカで殺人事件を起こし、終身刑
『2529 それぞれの生きる力 短歌と辞典と学問と』の画像

 今は 二月 たつたそれだけ あたりには もう春がきこえてゐる だけれども たつたそれだけ 昔むかしの 約束はもうのこらない さう! 花は またひらくであらう さうして鳥は かはらずに啼いて 人びとは春のなかに笑みかはすであらう (立原道造「浅き春に寄せ
『2528 浅き春に寄せて 調整池に霧が立つ』の画像

 私の散歩コースの一角に公衆トイレがある。時々、車でやってきた男性がモップなどを使って掃除しているのを見かける。彼はここだけでなく他の公衆トイレを回っている「専属清掃人」なのだろう。役所広司主演の日本・ドイツ合作の『パーフェクトデイズ』(PERFECT DAYS)も
『2527 市井の片隅の豊かな?人生 映画『パーフェクトデイズ』』の画像

 指揮者の小澤征爾が亡くなった。88歳。晩年は病気との闘いの連続だった。作家の村上春樹は、2月11日付朝日新聞朝刊に「小澤征爾さんを失って」と題する1頁の追悼文を寄稿した。その中で村上は小澤について「夜明け前の同僚」と書いた。「みんなが寝静まっているとき
『2526 名指揮者育てた指導者 小澤征爾と斎藤秀雄の厳しい関係』の画像

「日本は仏教国ですが、お釈迦様の一生を記した本は帯に短したすきに長し。適当なものが見当たりません。調べているうちに分かったのは、宗派に縛られているお坊さんは自分以外の宗派の仏典に弱い。学者もその傾向にあります。宗派に縛られない一般人こそ仏教に関しては自由
『2525 分かりやすい「ブッダ伝」 カトリック信徒が出版』の画像

(幸福度世界1のフィンランド・ヘルシンキにて)暇であることはあまりいいことではない。世間の雑音が新聞、テレビを通じて入って来るからだ。世界も日本も心が晴れ晴れするニュースが少ない。私を含め、現代人はこうも愚かになってしまったのだろうと、朝夕に考え込んでい
『2524 太宰が書いた「明日こそは幸福」 平凡な日々こそ……』の画像

「針の筵」(はりのむしろ)という言葉がある。「(針を植え込んだ筵に座らされる意から)少しも気の休まることのない、つらい場所や境遇のたとえ」(大修館書店『明鏡ことわざ成句使い方辞典』という意味だ。現代では筵を見たことがない人がいるかもしれない。わらなどで編
『2523 いつまで耐える針のむしろ「記憶にない」もほどほどに』の画像

「雪は天から送られた手紙である」。世界で初めて雪の結晶を人工的に作ることに成功した物理学者・随筆家、中谷宇吉郎(1900〜1962)の言葉だ。科学者として自分の研究に裏打ちされた言葉なのだが、私なりに解釈してみると、昨今の世界の動きを見て「天が怒っている」という
『2522 雪は天からの手紙 昨今の世界と日本へ』の画像

 (ラジオ体操広場の上空に美しい朝焼けが広がった) コロナ禍以降、人に会うことが少なくなった。私自身の加齢によって、その傾向はますます強くなっている。だから「人生邂逅し 開眼し 瞑目す」(人生は多くの巡り合いがあり、それを通じて物事の本質を知り終えていく
『2521 人生の邂逅を知る 聞き書きカルテットとの出会い』の画像

(新幹線から見た富士山。2.3)「火の玉」と聞いて、人は何を連想するだろう。野球が好きな人なら、かつて「火の玉投手」といわれた大リーグのボブ・フェラー(インディアンス=現ガーディアンズ)を思い、あるいは墓地などで見られる鬼火・人魂(ひとだま)ともいわれる火の
『2520 火の玉はどこに 剛速球より変化球の首相』の画像

 私の家の庭の前は遊歩道になっていて、一日中いろいろな人が歩いたり、自転車に乗ったりして通り過ぎていく。昨日の夕方のこと。暖かい日よりなので庭に出ていると、中学生らしい男の子の声が聞えてきた。「国会議員の裏金問題って酷い話だね。あんなことをする人たちはみ
『2519「国会議員をやめればいい!」中学生の嘆きの声再び』の画像

「私たちが移動して行くと、どこからか音楽が聞えてきたの。ヴァイオリン(原文はバイオリン)の音色。あの日が私の終戦だった。ヴァイオリンが聞えた日が。みんなが空を仰いで祝砲を撃ち、抱き合ったりキスし合ったりした勝利の日ではなく。本当に不思議なことだった。突然
『2518 「平和はヴァイオリンの音」 戦争と音楽の関わり』の画像

ロシアの女子フィギュアスケート選手、カミラ・ワリエワは天才だと思っていた。テレビで見る演技は圧倒的に優れていた。だが、裏があった。2022年北京五輪の期間中にドーピング問題が発覚したことに対し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は29日、21年12月25日から4年間の資
『2517 スポーツ界の汚れた裏面 天才の芽摘まれたワリエワ』の画像

 冬川の翡翠を見し一人かな 岡井省二 近くの公園を散歩していたら、池の端にある木の枝に2羽のカワセミ(翡翠)が止まっているのを見かけました。カワセミは俳句では夏の季語ですが、この公園で見かけるのは冬の方が多いのです。この池から流れる小川に沿って、活動して
『2516 ひとりカワセミを見る 心折れない思い』の画像

「政治家といっても色々で、クズみたいなやつもいるが、彼らは結局自分たちの所属政党のためにしか行動しない。歴史上も、このようにしてあまり評判の良くない指導者たちが現れた。(中略)そして政権を握り、すべてをめちゃくちゃにするのさ」。「世界で一番貧しい大統領」
『2515 政治家はいろいろ(クズもいる) 世界で一番貧しい大統領の述懐』の画像

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