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 コロナ禍が第8波の様相だ。多くの人たちが3年続くウイルスの脅威に慣れてしまったせいか、外ではマスク姿の人も次第に少なくなりつつある。そして、昨今は以下のような光景も時折見かける。「行く人の咳(せき)こぼしつつ遠ざかる 高浜虚子」。世界を覆う災厄。既に私の周りでも、珍しくないほどの人たちがこのウイルスに感染している。かつて、猛威を振るったスペイン風邪並みにこの世界に大きな影響を与えた災厄は、これからどのような推移をたどるのだろう。

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 現代は科学万能の時代。その進歩はどこまで続くか分からない。ITという技術がその代表だ。いまや便利な時代になった。パソコン、スマートフォンで買い物ができる。だが、世界の格差はひどくなる一方だ。争いごとも絶えない。武器の開発は続き、人を殺す手段は向上し続ける。

冬に入ったウクライナ。軍事進行を続けるプーチン・ロシアは、ウクライナの人々を凍りつかせるために、エネルギー供給のための発電所などにミサイル攻撃をやめない。人が凍えようが、そして死のうが、勝つまではどんな手段もやるということなのだろう。

高村光太郎は『生命の大河』(『日本詩人全集9』新潮社)という詩の第2フレーズで以下のように書いている。

 

《人類の文化いまだ幼く
原始の事態をいくらも出ない。 
人は人に勝たうとし、
すぐれようとし、 
すぐれるために自己否定も辞せず、
自己保存の本能のつつましさは
この亡霊に魅入られてすさまじく
億千万の知能とたたかひ、 
原子にいどんで
人類破滅の寸前にまで到着した。》

 

今、ウクライナでロシアがやっていることは、光太郎の詩のようなもので、実は幼さが残ったままなのだと思う。それをプーチンは知らないのだろうか。

先日、コロナワクチンの5回目の接種を受けた。インフルエンザのワクチンと同時接種だった。珍しく、2つのワクチンとも注射針が腕に入るとき、これまでにないほどかなりの痛みを感じた。この時私は、これでコロナワクチンの接種は最後であってほしいと願った。それは神のみぞ知ることなのだが、そうあってほしいと思うのは、私だけではないはずだ。

日記を見ると、昨年11月25日、私の住む千葉県の新規コロナ感染者は3人だった。それが今年の同じ日、6200人近い数字になっている。第3波まで続いたスペイン風邪は、おびただしい人が感染した結果、中和抗体ができて、自然に収束したといわれる。コロナ禍も同じような推移をたどるのかどうか。

散歩道の調整池に今朝も霧が立った。歩いていて、前方がよく見えない。それでも太陽が昇ってくると次第に霧は晴れていき、透明感ある風景が広がった。自然界の太陽のような存在。人間の世界には何があるのだろう。それは「英知」に違いない。

   
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