小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をコラムとして書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(Copyright (C) 2006-2024 Y.Ishii All Rights Reserved.)

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絵画

 テレビの国連に関するニュースで、安全保障理事会議場が映ることがある。その時、議場にある巨大な「壁画」も映し出される。作者はノルウェーの画家、ペール・ラッソン・クローグ(1889~1965)だ。この壁画は北欧の伝説を基に描かれ「国連の任務の遂行」の願いを
『2408 安保理でまた拒否権 クローグの壁画が見つめる「茶番」』の画像

 イスラム組織、ハマスが実効支配するパレスチナ・ガザ地区にあるアフリアラブ病院が17日夜、空爆を受け、患者ら500人以上が死亡したというニュースが流れた。ガザの保健当局はイスラエルの攻撃だと発表、イスラエルはハマスとは別のイスラム過激派「イスラム聖戦」が
『2407 許されないガザの病院攻撃 ブリューゲル『死の勝利』の世界の恐怖 』の画像

(『モルダウ河畔のクルマウ(小さな街Ⅳ)』) 風景画で私が好きな一枚といえば、オランダの画家、ヨハネス・フェルメール(1632~75)の『デルフトの眺望』である。オランダの古都デルフトの朝の風景を描いた作品で、愛好者も多い。一方、ニヒルな表情の自画像など露悪趣
『2280 何を語るのかシーレの風景画 母の故郷追われて』の画像

(緋寒桜の花芽も膨らんできた) 東京・上野の東京都美術館でオーストリアの天才画家、エゴン・シーレ展(レオポルド美術館)が始まった。この機会に上野に行こうと思う。シーレのことは新型コロナが猛威を振るう2020年の9月に書いている。シーレも第一次世界大戦末期
『2267 天災画家エゴン・シーレもまた ウイルスは容赦ない』の画像

 オランダ出身の抽象画家として知られるピート・モンドリアン(1872~1944)の『ニューヨークシティー1』という絵が75年以上にわたって逆さに飾られていた、という記事を読んだ。この人の絵は「水平・垂直の直線と3色から構成される四角形」の『コンポジション』
『2219 上下と裏表は何を意味する? 抽象画と長崎の「焼き場に立つ少年」』の画像

 ロンドンの英国立美術館で14日、展示中のゴッホ(1853~90)の『ひまわり』に環境団体「ジャスト・ストップ・オイル」のメンバーの女性2人が缶詰のトマトスープを投げつける事件が起きた。絵画はガラスで覆われており損傷はなかった。多くの感想は「あのような名
『2210『ひまわり』受難で考える文化 驚くゴッホ?』の画像

 アナログレコードをたまに聴く。一世を風靡したマントヴァーニ・オーケストラの演奏の『アメリカの光景』という古いレコードをかけた。そのサイド2の終わりに『グッドナイト・アイリーン』が入っている。懐かしい曲だ。かつて全米ヒットチャートで1年以上、トップを維持
『2203 それぞれの異端の人生 名曲の裏に怒りの日々』の画像

   ジャン=フランソワ・ミレー(1814~1875)といえば、『落穂拾い』『「晩鐘』『種をまく人』」などの農民画で知られるフランス・バルビゾン派の画家だ。このうち『種をまく人』(油絵)は、1850年、ミレー36歳の時に発表され、画壇に衝撃を与えた。躍動
『2179 もう一つの『種をまく人』から 先人たちから何を学ぶのか』の画像

「体操広場」と呼んでいる円形の花壇を中心にした広場の周囲にトチノキが約30本植えられている。この街が形成されて30数年。この木も大きく成長し、ことしは特徴ある円錐花序(分岐した枝に花がつき、主軸の上方にいくに従って小さくなり、外観が円錐形に見える)の花が
『2144 空に向かう花との対話 トチノキの季節に』の画像

春は花が咲き、木々が芽吹くうれしい季節だ。しかし2022年の今年は違う。心が沈んだまま春を過ごしている。世界中の人々はどんな思いでこの季節を送っているのだろう。こんな時、体操仲間で日曜画家のNさんから一枚の絵を見せてもらった。遊歩道に咲く紅梅を描いたもの
『2133 一枚の絵を見ながら 心浮き立つ春よ』の画像

 14年ぶりにフェルメールの一枚の絵と再会した。再会と書くと、やや大げさかもしれないが、再び同じ絵を見る機会が来るとはとても思えなかった。実際に見た絵には「画中画」があって、印象が変わっていた。この絵の前で私は、ロシアによるウクライナへの侵攻のことを思わ
『2127 うそと欺瞞を許さず 蘇ったフェルメールのキューピット』の画像

『湖』は北欧フィンランドで国民画家と呼ばれるガレン・カレラの作品だ。カレラはフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」を題材として作品を描く一方、フィンランドの湖や森の風景の絵も残しており、『湖』は代表作といわれる。1901年に描かれたが、この時代のフィンランドはロシアの圧政に苦しむ暗い時代であり、プーチン・ロシアに侵攻されているウクライナが二重写しになる。
『2120 森と湖の国の絵が語る歴史 ロシアから独立したフィンランド』の画像

「私は一人なの。どうしたらいいの!」。ロシア軍がウクライナに軍事侵攻したニュース映像で、こう叫びながら避難する女性の姿を見ました。侵攻を命令したプーチン大統領は、こうした市民のことは虫けら同様に思っているのかもしれません。国際社会を揺るがすニュースを見な
『2109 何を語る戦争の絵 ロシアのウクライナ侵攻』の画像

                      (ユリィ「夜のポツダム広場」)  久しぶりに美術館に行き、1枚の絵の前で釘付けになった。「夜のポツダム広場」。描いたのはドイツのレッサー・ユリィ(1861~1931)。私の知らない画家だった。絵の下半分は雨に濡れた
『2075 フェルメール現象再び? 知られざるレッサー・ユリィ』の画像

    コロナ禍によって、全国に初めて出された緊急事態宣言が全面的に解除になったのは、1年前の5月21日だった。当時の日記に私は「第2波は大丈夫か」と書いている。その懸念は当たってしまい、現在は第4波に見舞われている。コロナ禍は人々の日常生活に大きな影響
『2011 平凡な日常への愛おしさ 1枚の絵が語る真実』の画像

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